妊娠・出産したことで低くなっていった自己肯定感
20代後半で結婚した私は、一度流産を経験しており、子供が無事に産まれてくることは奇跡なのだと実感していました。それまでは子供はみんな無事に産まれてくるものだと思っていたからです。なので、2回目の妊娠で順調に子供が成長していき、無事出産すればこれから幸せしか感じないのだと勝手に思っていたんです。しかし、現実はそんなに甘くはありませんでした。妊娠中はひどいつわりに襲われ、まともに家事や仕事ができない日が続きました。朝起きた時から気持ち悪い状態で、何をしても良くならず、ただただ耐えるのみ。妊娠初期はまだ仕事をしており、どんなに体調が悪くても出勤しなければならないことがしんどくてなりませんでした。出産してからも自分の思うように物事が進んでいかないことや外で働いていないことから「自分は何も生み出せないんだ」という気持ちになり、自己肯定感がとてつもなく低くなっていったのです。
妊娠を機に仕事を退職することになり、社会から切り離された感覚に
私はもともと自己肯定感の低い人間でした。そんな自分が唯一、家族や周りのためになっていると思えたのは「仕事をしている時」でした。職場で仕事をすれば、お客様や同僚、上司に「ありがとう」と感謝されたり、仕事でお給料を貰えばお金を自分で稼いでいるんだと思ったりして、なんとか自己肯定感を保てていたのです。ところが妊娠が分かり、旦那さんの実家に同居することが決まると、職場まで通うことができずやむなく退職することに。今まで自己肯定感をなんとか保つために必要だった「仕事」という存在がなくなったことで、一気に私の自己肯定感が低くなっていってしまったのです。妊娠後期には仕事を退職していたので、自宅でずっと続くつわりに堪える日々。家事もまともにできず、さらにはお金を稼ぐこともできない私は自分の存在意義を問うようになっていってしまいました。
社会復帰と意気込んでいたものの、難しさを痛感
なんとか妊婦期間を終え、無事に子供を産んだ私。産んだ瞬間に「これで何もかもをうまくこなせるようになる」と感じていました。感覚でいうと、出産がゴールだと思っていたのです。しかし、そんな考えは甘く、出産をした日から容赦なく始まる子育て。第一子だったことから、全てが初めてのことばかりで迷い、心配し、疲れ果てるという日々を過ごしました。子供を産む前は、つわりで気持ち悪かったり体が思うように動かなかったりして誰の役にも立てていないと感じていた私。でも、「これからは家事を完璧にこなし、育児もしてさらには社会復帰だってできる!」と希望に満ち溢れていたのです。そんな希望を抱いたのも束の間、子育てが始まると自分の時間などまともに取れない日々。社会復帰と意気込んでいたものの、一日中自分の手を離れない子供を目の前に社会復帰の難しさを痛感していました。子供の世話に追われ、社会復帰どころか家事をまともにこなせない日もありました。「もう妊婦ではないのに、なぜこんなにも自分は何もできないんだ」と自分を責めました。もともとわずかしかなかった自己肯定感は、その時にゼロになってしまったのです。
妊娠・出産・子育てでゼロになった自己肯定感を回復させたもの
子育てが始まると、朝が来て寝るまで孤独を感じるようになっていきました。妊娠前、仕事がさほど好きではなかったのに、子育てが始まると無性に仕事が恋しくなりました。毎日毎日同じような単調な日々が繰り返され、家事や育児をこなしていく…。どんなに頑張って床を磨いても、どんなに子供に尽くしても、私を褒めてくれる人は誰もいない…。自己肯定感の低い私は、自分で自分を褒めることが苦手なため、自分の頑張りを認めてくれる存在がいないことが耐えられなかったのです。この先、こんな日が続いていくのかと思ったらたまらなくなり、「どうにかしなければ」という思いでパソコンを開きました。
すると、自宅にいながら仕事をしてお金を稼いでいる主婦の方の存在を知りました。それまでは働いてお金をもらうためには誰かに雇われて、外で仕事しなければいけないと思っていた私。しかし、パソコンで見たその主婦の方は在宅ワークを行うことでお金を得て、さらには自己肯定感も上がっているようでした。私もそんな風になりたいと、みようみまねで在宅ワークを開始。すると、今まで感じたことのない、達成感を感じることができたのです。それから私は、在宅ワークをこなすことで自己肯定感を上げていきました。不思議と在宅ワークを始めたことで、子育ても楽しくなってきたのです。今現在は第二子を出産し、まだ本調子ではありませんが、細々と在宅ワークを続けています。在宅ワークに出会ったことで、妊娠・出産・子育てで低くなった自己肯定感を上げることができました。これからも育児、家事、仕事と両立し、頑張っていけたらと思います。(新潟県在住36歳A様の体験談)
※この記事は個人の体験談です。
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